トラック競技は、8月30日(木)から3日間、鹿児島県南大隅町の根占自転車競技場で開催される。
まずは男子種目を紹介しよう。
団体種目のうち、短距離系の「チームスプリント」は各チーム3名で出走し、空気抵抗を受ける先頭の選手から1周毎に離脱し、如何に早く3周を走り抜くかを競う種目だ。昨年優勝の日本大学をはじめ、2位の中央大学、順天堂大学、鹿屋体育大学、朝日大学、早稲田大学などが上位を争いそうだ。
一方、長距離系となる「4kmチームパーシュート(団体追抜競走)」は、4名の選手が先頭交代をしながら、如何に早く4kmを走り抜くかを競う種目。昨年、大会新記録で優勝した鹿屋体育大学や、2位の早稲田大学のほか朝日大学、明治大学、順天堂大学、法政大学、日本体育大学などが上位を争いそう。昨年の予選で空中分解して圏外に去った日本大学だが、今年は当然優勝争いに加わってくるだろう。

*団体種目は総合成績の得点にを大きく左右する
個人種目の「スプリント」は、6月の全日本学生トラック選手権で、抜きんでたパワーを発揮して優勝した日本大学の橋本凌甫が一歩リード、日大2番手のルーキー坂本佳哉も、高校時代の実績は十分である。
対抗するのは、長距離から転向し、6月の全日本学生トラックで橋本に続き2位に入った野口正則(鹿屋体育大学)や、同大会予選で1番タイムを出したルーキー栗田万生(順天堂大学)や、同じく3・4番タイムを出した松本貴治・上遠野拓馬(朝日大学)らスピードのある選手を始め、畑段嵐士(同志社大学)、野口裕生(中央大学)ら実力十分の選手が名を連ねる。各チームとも短距離のエースを投入してくるため目が離せない。
「1kmタイムトライアル」は、昨年、21年ぶりに大会新記録を塗り替え圧倒的勝利を収めた末木浩二(日本大学)の走りが記憶に残る。今年の全日本学生選手権で優勝した佐々木龍(早稲田大学)を始め、碇優太(日本大学)、野口裕生(中央大学)、門脇翼(東北学院大学)ら同大会ベスト4も揃い踏みだ。他にも池野健太(中央大学)、深瀬泰我・丸田直(法政大学)や朝日大学、日本体育大学、順天堂大学などから強力選手がエントリーしている。「風は強いがタイムが出る」と表される根占バンクで一体どんな闘いが見られるのか。

*昨年、21年ぶり大会記録を塗り替えた末木(日大)
「ケイリン」は昨年覇者の末木浩二(日本大学)、昨年のユニバ日本代表で、今井一誠(早稲田大)の実績が一歩抜けているが、力に加え駆け引きなど技術が必要な種目だ。そして、今年の全日本学生選手権覇者大山宏仁(東北学院大学)、全日本アマ選手権覇者奥村諭志 (鹿屋体育大学)、力のある池野健太(中央大学)らなどもすかさず優勝争いに割って入ることが予想される。
2人乗り自転車で争う迫力ある「タンデムスプリント」では、昨年優勝の佐々木龍・今井一誠ペア(早稲田大学)が、今年も優勝候補の筆頭か。全日本学生選手権で優勝した松本諒太・渡邉浩幸ペア(朝日大学)、2位の和田拓磨・和田卓磨ペア(明治大学)などもメンバー変更無しでエントリー、さらに伝統的に強い日本大学、中央大学、法政大学、東北学院大学などに加え、比較的新しいチームの順天堂大学、鹿屋体育大学、日本体育大学、環太平洋大学なども上位を伺い挑戦する。

*今年もタンデムスプリント同じペアで連覇を狙う早稲田大学
「4kmインディビデュアルパーシュート(個人追抜競走)」は、インカレ直前の全日本選手権で10年ぶりに日本記録を更新して連覇を達成した鹿屋体育大学のルーキー橋本英也が大きくリードか。日本大学からは安定した実績の近谷涼、早稲田大学からは今年の学生選手権2位の大中巧基がエントリーした。他にも矢野智哉(朝日大学)、中根英登(中京大学)、緑川俊一(中央大学)ら力のある選手が顔を揃える。6月の全日本学生個人タイムトライアルのクラス1で優勝した安井雅彦(東京大学)の走りにも注目したい。
「40kmポイントレース」は長距離のエースが集まる花形種目。400mトラックを100周するうち、ポイント周回の着順によって所定のポイントが与えられ、その合計点を争う種目だ。
昨年覇者の榊原健一(中京大学)や、今年の全日本学生選手権覇者の倉林巧和(日本体育大学)に加え、和田力(日本大学)、長瀬幸治(鹿屋体育大学)、木村圭佑(京都産業大学)、三浦康嵩(早稲田大学)、末永周平(明治大学)、中尾圭佑(順天堂大学)、矢野智哉(朝日大学)ら上位陣の力の差は見られない。さらに展開によっては、どの選手にも優勝のチャンスが巡ってくるため、目が離せないレースになりそうだ。

*昨年男子ポイントレースの激戦を制した榊原の走りに注目
女子は一昨年と昨年のインカレで全種目を制する完全優勝で総合8連覇を達成した鹿屋体育大学は長・短距離とも日本代表を揃え、万全の体制で地元大会を迎える。とりわけ短距離で3年連続3冠の前田佳代乃の走りは注目だ。鹿屋を追う日本体育大学も強力選手が揃い、展開次第では十分優勝も狙える。続いて法政大学と朝日大学が並んでいる。
女子の「チームスプリント」は2名で走る。鹿屋は、ロンドンオリンピックで前田佳代乃が不在だったこともあり、長距離の塚越さくら・上野みなみがペアを組む。日体大はスピードのある小島蓉子・古河麻美ペアか。2名の短距離力は鹿屋と互角以上、この2チームの決勝進出は濃厚だ。交代時の失格や、一瞬のタイミングで大きくタイムが変動するため集中が必要だ。
「女子スプリント」は、ロンドンオリンピック出場の前田佳代乃(鹿屋体育大学)に注目が集まる。スピードのある野村くるみ(北陸大学)、小島蓉子(日本体育大学)、廣本茜梨(環太平洋大学)、木村亜美(鹿屋体育大学)らが、前田を追う。
「女子500mタイムトライアル」は前田佳代乃(鹿屋体育大学)の独壇場か。前田はスプリントと合わせ4連覇を狙う。小島蓉子(日本体育大学)、塚越さくら(鹿屋体育大学)らが続く。

*ロンドン五輪出場の前田(鹿屋体大)
「女子3kmインディビデュアルパーシュート(個人追抜競走)」は直前の全日本選手権で決勝を戦った鹿屋体育大学の上野みなみと塚越さくらが有力、全日本選手権は上野、全日本アマ選手権は塚越が制しており、レベルの高いレースが予想できる。全日本学生選手権3位、個人TTでは鹿屋勢を抑えて優勝した小島容子や、中村妃智ら日本体育大学勢も追い上げてくる。
「16km女子ポイントレース」には強い選手が勢揃いする。
中でも上野みなみ(鹿屋体育大学)は昨年の世界選手権4位、ユニバシアード3位と世界的に通用する選手だ。各大会での獲得ポイントも、高得点で優勝している。
その上野に対し、中村妃智、小島蓉子ら日本体育大学勢、鹿屋勢も木村亜美、塚越さくらが上位を狙い、展開に因っては誰が勝っても不思議では無い混戦模様である。

*昨年インカレの女子ポイントレースを制した上野(鹿屋体大)
posted by 学連事務局 at 22:53|
NEWS